CULTURE by SOFUCA
日本語

聴き歩き · Ado『踊』と、つくり手の交差点

Ado「踊」から、まだ知らない一曲へ。

好きな曲の、好きな理由。その手がかりは、歌い手の名前の隣にもある。Ado「踊」から、作詞・作曲・編曲・リミックスのつながりを辿る、7曲の小さな聴き歩き。

この記事の要点

「踊」の作詞はDECO*27、作曲・編曲はGigaとTeddyLoid。この三つの名前を一人ずつ追うと、Ado「唱」、初音ミクが歌う「シンデレラ」、ピノキオピー、「ヴァンパイア」へ道がつながり、同じ人が別の役割を担っていることにも気づく。7曲の公式クレジットで読み比べ、次に聴く一曲を見つけるための記事。

  1. 三つの名前

    「踊」の隣に並ぶDECO*27、Giga、TeddyLoidから始める。

    この章へ
  2. 役割が変わる

    「シンデレラ」でGigaが歌声にも触れ、DECO*27を追うとピノキオピーに出会う。

    この章へ
  3. 聴き比べ

    制作コンビ、同じ曲の変化、つくり手から歌い手への3ルート。

    この章へ

「踊」が好き。では、次に何を聴こう? Adoの別の曲を選ぶのもいい。でも、もう一つの探し方がある。クレジットに並ぶ名前を、一人だけ追いかけてみることだ。

「踊」の作詞はDECO*27、作曲・編曲はGigaとTeddyLoid。この組み合わせをほどいていくと、Ado「唱」にも、初音ミクが歌う「シンデレラ」にも道がつながる。途中では、同じ人が別の役割を担っていることにも気づく。

ここに集めたのは、その違いを確かめられる7曲。全曲を順番に聴く必要はない。気になるつながりから2曲だけ聴き比べても、この旅は始められる。

確かめた資料(1件)
  1. Ado公式情報 ↗公式情報 · 2026-08-28確認

聴き比べ

聴き比べの組み合わせ

共通点を一つだけ残すと、違いが耳に残る。

聴き比べ 1

制作コンビを追う

  1. 踊Ado
  2. 唱Ado
共通点
歌唱はAdo。作曲・編曲はGigaとTeddyLoid。
変わるところ
作詞:DECO*27 → TOPHAMHAT-KYO。

聴き比べ 2

同じ曲の変化を聴く

  1. シンデレラ初音ミク
  2. シンデレラ (Giga First Night Remix)初音ミク
共通点
作詞・作曲はDECO*27。歌唱は初音ミク。
変わるところ
Rockwellの原曲編曲 → Gigaのリミックス・歌声調整。

聴き比べ 3

つくり手から歌い手へ

  1. デビルじゃないもん初音ミク
  2. アタシは問題作Ado
共通点
ピノキオピーが、作詞・作曲・編曲に参加。
変わるところ
歌唱:初音ミク → Ado。共同制作から単独の詞曲・編曲へ。

▶を押したときだけYouTubeを読み込みます。「停止して閉じる」で再生も止まります。

出発点

「踊」の制作陣

2021年4月27日配信の「踊」。歌唱者はAdoだが、曲の言葉を書いたのはDECO*27で、作曲と編曲にはGiga、TeddyLoidの2人が記されている。『誰がつくった?』への答えは、一人の名前では終わらない。

言葉が気になったらDECO*27を、音の組み立てが気になったらGigaとTeddyLoidを追ってみる。ただし、歌詞・曲・編曲・歌唱は、切り離して聴こえるわけではない。クレジットは『好きの原因』を決めつける答えではなく、次の曲を選ぶための手がかりだ。

当時の公式発表では、NHK総合『夜光音楽 ボカロP 5min.』のテーマソングでもあった。ボカロPを扱う番組と、Adoが歌うこの一曲。その接点を知ると、ここから初音ミクの曲へ進むことも、唐突な寄り道ではなくなる。

確かめた資料(3件)
  1. Ado公式情報 ↗公式情報 · 2026-08-28確認
  2. UNIVERSAL MUSIC:Ado『踊』MV公開 ↗公式情報 · 2026-09-04確認
  3. plug+:Giga & TeddyLoid 本人インタビュー(2025年8月5日) ↗本人インタビュー · 2026-09-04確認

同じ2人、別の言葉

「唱」の作詞とUSJ

次は2023年9月6日配信の「唱」。作曲・編曲は、再びGigaとTeddyLoidだ。一方、作詞に記されているのは、FAKE TYPE.のTOPHAMHAT-KYO。「踊」と同じ歌い手、同じ作曲・編曲の2人でも、言葉のつくり手は変わっている。

「唱」は2023年、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの『ゾンビ・デ・ダンス』の新テーマソングとして発表された。番組のテーマ曲だった「踊」から、来場者が踊る場へ。制作陣だけでなく、曲が届けられる場面も読み比べの軸になる。

同じ制作コンビでも、言葉を託す相手と曲が使われる舞台は変わる。聴き比べるときは『似ているか』だけでなく、どんな場面で聴きたくなるかを考えてみたい。作曲・編曲の名前が共通していても、2曲の役割まで同じとは限らない。

確かめた資料(3件)
  1. UNIVERSAL MUSIC:Ado『唱』制作クレジットと2023年USJコラボ ↗公式情報 · 2026-09-04確認
  2. UNIVERSAL MUSIC:Ado『残夢』公式MVリンク ↗公式情報 · 2026-09-04確認
  3. plug+:Giga & TeddyLoid 本人インタビュー(2025年8月5日) ↗本人インタビュー · 2026-09-04確認

つくり直す、という参加

「シンデレラ」の歌唱ディレクション

Gigaの名前を追って、初音ミクが歌う「シンデレラ」へ。ここでは原曲と『Giga First Night Remix』を並べてみたい。原曲はDECO*27の作詞・作曲で、編曲はRockwell。MVは2021年8月に公開された。

同年11月公開のリミックス版でも、作詞・作曲はDECO*27のまま。Gigaはリミックスに加え、初音ミクの歌声調整を担当している。『踊』での共同作曲・共同編曲とは、作品への関わり方が違う。

この歌声調整は、合成音声の歌い方を整える『調声』にあたる。別の人間の歌手が歌い直した、という意味ではない。歌唱に初音ミクの名前があり、声の表現をつくる仕事にはGigaの名前がある。声の持ち主と、声を形づくる人。その2つを分けて見られるのが、この比較の面白さだ。

確かめた資料(3件)
  1. OTOIRO:『シンデレラ』MV・編曲クレジット ↗公式情報 · 2026-09-04確認
  2. OTOIRO:『シンデレラ (Giga First Night Remix)』リミックス・歌声調整 ↗公式情報 · 2026-09-04確認
  3. NBCUniversal公式『MANNEQUIN』商品・曲別クレジット ↗公式情報 · 2026-09-03確認

二人で書く

DECO*27とピノキオピー

DECO*27の先には、もう一人のつくり手との交差点がある。2023年1月にMVが公開された「デビルじゃないもん」だ。歌うのは初音ミク。タイトルに並ぶDECO*27とピノキオピーは、この曲を一緒に書いた2人の名前だ。

公式クレジットでは作詞・作曲を2人が共同で担当し、編曲にはピノキオピーとRockwell、ミックスにはDECO*27が並ぶ。『DECO*27が作詞、ピノキオピーが作曲』という分担ではない。言葉と曲の両方で、2人がつながっている。

ここでRockwellの名前にも注目したい。「シンデレラ」原曲の編曲者が、この曲ではピノキオピーと編曲を担っている。主役として並ぶ2人だけでなく、その隣のクレジットにも前の曲との接点がある。MVを見終えたあと、参加者の欄に戻ると、もう一本の道が見つかる。

確かめた資料(2件)
  1. OTOIRO公式『デビルじゃないもん』MV・制作クレジット ↗公式情報 · 2026-09-03確認
  2. OTOIRO:『シンデレラ』MV・編曲クレジット ↗公式情報 · 2026-09-04確認

名前を一つ、持ち帰る

ピノキオピーからAdoへの提供

今度はピノキオピーの名前を持って、Adoの曲へ戻る。「アタシは問題作」は2023年2月20日配信。ピノキオピーが作詞・作曲・編曲を手掛けた。『デビルじゃないもん』では共同制作だった人が、こちらでは3つの役割を担っている。

その前には、リスナーが選んだ接点もある。公式発表によると、2022年5月の『Adoに歌って欲しい曲』というTwitter企画を経て、ピノキオピー「神っぽいな」の歌ってみた動画が公開された。カバーで出会った組み合わせを、今度はオリジナル曲でも聴ける。ただし、カバーが曲提供の直接のきっかけだったと、この発表が説明しているわけではない。

「デビルじゃないもん」から続けて聴くなら、ピノキオピーという共通点を残したまま、歌い手が初音ミクからAdoへ変わることに注目したい。一方の制作は共同、もう一方は作詞・作曲・編曲をピノキオピーが担当。声だけを入れ替えた比較ではないことも、覚えておこう。

確かめた資料(3件)
  1. UNIVERSAL MUSIC:ピノキオピーが手掛けた『アタシは問題作』 ↗公式情報 · 2026-09-04確認
  2. UNIVERSAL MUSIC:Ado『残夢』公式MVリンク ↗公式情報 · 2026-09-04確認
  3. UNIVERSAL MUSIC:Ado × ピノキオピー対談公開(2023年2月24日) ↗公式情報 · 2026-09-04確認

最後の寄り道

「ヴァンパイア」と「踊」の比較

最後に、2021年3月にMVが公開された「ヴァンパイア」を置いておきたい。DECO*27が作詞・作曲、Rockwellが編曲を担い、初音ミクが歌う曲だ。「シンデレラ」の原曲でも見た2人の名前が、ここで再び並ぶ。

一方、出発点だった「踊」でのDECO*27の担当は作詞。同じ名前を辿っていても、毎回その人が曲のすべてをつくっているわけではない。曲を書き、言葉を渡し、誰かと共に書く。その違いごと追いかけると、作品の一覧が、つくり手同士の関係として見えてくる。

「踊」をもう一度聴くとき、名前を全部思い出せなくてもいい。『この言葉を書いた人の、別の曲も好きだった』。そんな小さなつながりが一つ残れば、次の一曲は、最初より見つけやすくなる。

確かめた資料(3件)
  1. OTOIRO:『ヴァンパイア』MV・編曲クレジット ↗公式情報 · 2026-09-04確認
  2. NBCUniversal公式『MANNEQUIN』商品・曲別クレジット ↗公式情報 · 2026-09-03確認
  3. Ado公式情報 ↗公式情報 · 2026-08-28確認

もう一曲、続けて聴くなら。

3つの組み合わせへ戻る ↑
2つの音源を聴き比べる

制作コンビを追う

共通点
歌唱はAdo。作曲・編曲はGigaとTeddyLoid。
変わるところ
作詞:DECO*27 → TOPHAMHAT-KYO。

聴くときのヒントまずは冒頭を交互に。声と言葉の入り方から、2曲の違いを探してみよう。

曲を選び直すと、前の動画は止まります。

2つの音源を聴き比べる

同じ曲の変化を聴く

共通点
作詞・作曲はDECO*27。歌唱は初音ミク。
変わるところ
Rockwellの原曲編曲 → Gigaのリミックス・歌声調整。

聴くときのヒントまず声に集中して原曲とリミックスを聴き、次は伴奏へ。声の持ち主はどちらも初音ミクだ。

曲を選び直すと、前の動画は止まります。

2つの音源を聴き比べる

つくり手から歌い手へ

共通点
ピノキオピーが、作詞・作曲・編曲に参加。
変わるところ
歌唱:初音ミク → Ado。共同制作から単独の詞曲・編曲へ。

聴くときのヒントピノキオピーを接点に、歌い手の違いに耳を向ける。別の曲なので、単純な歌唱の比較ではない。

曲を選び直すと、前の動画は止まります。

名前から辿る

関連する歌い手・つくり手

確かめた記録5件

名前や日付を、元の記録へ戻って確かめられます。

種別名前内容件数
曲とクレジットAdo曲を支えた名前と役割27曲
曲とクレジットDECO*27曲を支えた名前と役割198曲
曲とクレジットGiga曲を支えた名前と役割6曲
曲とクレジットTeddyLoid曲を支えた名前と役割12曲
曲とクレジットピノキオピー曲を支えた名前と役割4曲